(この記事の最終更新日は、2020年3月7日です。)
こんにちは!山猫の雑記ブログ管理人の山猫です。(@yamaneko_solar)
今回は、日々の疑問解消シリーズ。自動車を持っていたら必ずお世話になるガソリンスタンドの謎です。
(今後の世界では、いきなり電気自動車を買って、ガソリンスタンドに一生行かない人もいるのかな・・・・)
まあ、ほとんどの人は行くという事で、話を先に進めてみます。
最初にガソリンスタンドに行った時はドキドキしたわ!
そうだね!最近はセルフのスタンドが増えたから、もっと大変かも!
いきなり一人でやれって言われたらパニックになりそう!
ガソリンスタンドにある3つのノズル。これは何が違うの?
最近は、セルフ式のガソリンスタンドも多くなり、自分でノズルを選んで給油する!という人も多いと思います。
でも、ガソリンスタンドのノズルは、必ず3本ありますよね。(それとは別に、「灯油」とかいう謎の油もあるのですが。。)
さて、ガソリンスタンドの3本のノズルは、大概以下のように色分けされています。
緑:軽油
黄色:ハイオク
赤色:レギュラー
とりあえず車を買う時に、販売店の人から、この車には、「xxx」を入れてくださいと言われてその通りにしていると思うのですが。。。
そもそもこの3種は何が違うのですかね?
最初に石油のお勉強。
ガソリンも軽油も灯油も、元はすべて石油と呼ばれているものなのです。
石油は、世界各地(主に中東?)で掘って、大きなタンカーに乗せて日本に運んでくるわけですが、、地中から掘ったままの石油の事を「原油」と言います。
この原油。実はいろいろな性質の油が混ざって出来ているのです。
この原油をいろいろな性質の油に分ける事を、蒸留と呼んでいます。
この蒸留で分ける事が出来るのは、各油の沸点(液体が気体になる温度。水は100℃が沸点ですね)毎に分けること。
つまり、気体になりやすい油(燃料)なのか、なりにくい油なのかを分けて、違う油として販売するのです。
代表的な油の沸点は以下の通り
・35℃以下 : LPガス 常温で気体のガス。
常温で気体のガスがなぜ石油中に存在できるのか其の理由は良く分かりません。
なんとなく、掘り出したそばから気体になってどこかにいってしまいそうですが。。
・35℃~180℃ : ガソリン ナフサ 常温ではギリギリ液体ですが、非常に気体になりやすい(揮発しやすい)油です。
ガソリンはこの種の油という事になりますね!
ガソリンの事を揮発油と言ったりするのは、非常に揮発しやすい油という意味なんです。
・170℃~270℃ : 灯油 ジェット燃料 常温では液体のこの油。石油ストーブや石油ファンヒーターの燃料として使います。
石油ストーブに間違えてガソリンを入れてしまうと大変な事になりますから注意が必要ですね。
また、ジェット旅客機の燃料は灯油に似たものなんです。
空港に行ったときにたまに、石油ストーブのにおいに近いにおいが漂ってくることがありますが、これが、ジェット燃料のにおいなんですね!
・240℃~350℃ : 軽油 かなり揮発しにくい油なのが軽油。
「軽」と書いてあるのだから、一見軽そうな感じなのですが、実は灯油よりも、気化しにくい、重たい油なんですね!
また、ガソリンと性質がかなり違うというのもポイントです。
ガソリン仕様の車に間違えて軽油を入れてしまうと、非常に危険です。その逆に、軽油仕様の車にガソリンを入れるのも危ない。
両方とも同じ石油なのだから。。とは言っていられないのです。
・350℃以上 : 重油 非常に気化しにくいのが、重油です。
大型船舶のエンジンは、重油を使いますが、これが、重油が一番具合がいい(性能がいい)のか、重油が余って仕方がないので仕方なく重油を使っているかは、山猫にはよくわかりません。
最初に灯油について説明しちゃいましょう。
もともと灯油ランプは、天然の油(ゴマや松、鯨などから採取さいた油)が使われていたのですが、次第に石油に置き換わっていったのですね。
石油の中でも、ランプ用に適した油を「灯油」という名前で呼ぶようになったのです。
灯油に使う油は、揮発性があまり高すぎても困りますので、ガソリンなど、勝手に蒸発してしまう油は×。
軽油や重油はダメなのか?という理由は山猫にはわかりませんが、とにかく、ランプ用に使っていた油を灯油と呼び始めたわけです。
今では、灯油のランプを使っている人はアウトドアが好きな人以外はあまりいないですよね。。
でも、同じ灯油を使う石油ストーブは、まだまだ使われると思います。
今は灯油というえば、石油ストーブや、石油ファンヒータの燃料というイメージが強いと思います。
ストーブの燃料に、「あかり」を意味する「灯」の字が書いてあるので、ちょっと変な気がしますが、もともと、灯火用に作った油が石油ストーブにも適していたということだと思います。
軽油は、ディーゼル自動車用であって、軽自動車用ではない!
ようやく、ガソリンスタンドに話が向いてきました。
軽油は、自動車に使う燃料の一つ!
この軽油で動くエンジンは、ディーゼルエンジンと呼ばれるもの。
どちらかと言えば、大出力が出せるので、トラックやバスなど、大型の自動車向きのエンジンと言われています。
でも、ヨーロッパでは、以前からディーゼルエンジンの乗用車は珍しくありませんでしたし、日本でも、マツダ自動車などが、先進的なディーゼルエンジン車を発売して、びっくりさせてくれています。
軽油を使うメリットは、燃料としての性能が良く大出力が出る点と、日本ではガソリンに比べ安価だという点ですね。
一方、ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて、排気ガスの清浄化が難しかったり、どうしてもエンジンの振動が多くなったりと、解決しなければいけない問題が多いのも事実です。
(でも最近のディーゼルは言われなければわからないぐらい性能が良くなっていますけどね。。)
ちなみに、日本には、軽自動車という規格がありますが、これは、軽油を燃料とする自動車ではありません!
軽自動車の「軽」は、文字通り、軽くて小さい車を表しているのに対し、軽油の「軽」は、重油に比べれば、沸点が低いという意味なのです。
現状では、軽自動車で、軽油を入れる車種はありませんので、セルフのスタンドなどで、間違えて入れそうになっている人がいたら、やんわりと止めてあげて下さい。。。
ようやく、ガソリンの話になります。
さて、ここからは、ガソリンの話。そういえば、ガソリンスタンドと言っているのに、商品にガソリンという名前の物がありませんね。。ちょっと面白いですね。
実は、自動車に給油する3本のノズルの内、軽油を除く2本は、両方ともガソリンなんです。
でも、同じ「ガソリン」という名前がついているのですが、この二つのガソリン「レギュラーとハイオク」は微妙に性能が違うのです。
なんとなく、ハイオクの方が性能が良さそうな気がするわね!値段も高いし!
ガソリンの性能はオクタン価(RON)という値で表します。
ガソリンエンジンで大事なのは、勝手に火が付かない事。
正常に回っているエンジンでは、点火のタイミングは、点火プラグから発生する火花が決めるのですが、
燃料によっては、自己着火という現象を起こしてしまう事があります。
エンジンが予期しないタイミングでの点火は、パワーも出ないですし、エンジンにもよくありません。この異常燃焼の事を「ノッキング」と言って、忌み嫌われているわけです。
ガソリンの性能を示す、「オクタン価」は、自己着火のしにくさを表しています。
・オクタン価の低いガソリン = 自己着火しやすい = ノッキングしやすい
そして、日本では、オクタン価の違う2種類のガソリンが売られているのです。
日本で販売されているガソリンのオクタン価
・ハイオクの場合、オクタン価 96以上 : 実際は100の物が多い。
ハイオクの語源は、ハイオクタン つまり、オクタン価が高いガソリンという事なのです。
一般的に、レギュラー指定のガソリンエンジンは、レギュラーガソリンでもノッキングしない設計になっています。
一方、ハイオク指定のガソリンエンジンは、ハイオクガソリンを入れた時に性能が発揮できるように、設計が工夫されています。
逆に、ハイオク指定のガソリンエンジンに、レギュラーガソリンを入れても性能は発揮できません。
(※ 本来ならノッキングしまくりで、まともに走れないはずなのですが、日本のエンジンは賢いので、レギュラーが入ってくると、自動的にエンジンの性能を下げてノッキングしにくくするようです。すごい!)
もっと言うと、レギュラー指定のガソリンエンジンに、ハイオクを入れても、あまり効果はないそうです。
ハイオクガソリンには、洗浄剤のような添加剤が入っていますので、多少はエンジンに良いのかもしれませんが。。
なんで、欧州車は、みんなハイオク指定なの?
ドイツやフランス、イタリアなどが作った車は、基本的にはハイオク指定なんです。
大きなベンツやBMWとかは分かるのですが、VW(フォルクスワーゲン)やルノーの小さい車もハイオク指定なのはなぜなのでしょうか?
答えは、「欧州のレギュラーガソリンの仕様が日本とは違うから」なのです。
欧州の場合、ガソリンは3グレードで販売されています。
レギュラーミッドグレード: オクタン価95
プレミアム: オクタン価98
そして、販売されている車のほとんどが、レギュラーミッドグレード指定で、オクタン価91のレギュラー車はほとんど販売されていないのです。
つまり、欧州ではオクタン価95が、標準になっているのです。
一方、日本では、レギュラーがオクタン価89。ハイオクが96という関係で、
欧州から輸入されてくる自動車は、オクタン価95よりも高い、ハイオク指定となってしまうわけです。
まとめ
今回は、石油の基本的な性能の話あら始まって、灯油や軽油、ガソリンに話が進みました。
日頃、何気なく「石油」って言ってしまいがちですが、同じ石油でも、ガソリンと軽油は全く特性が違いますし、間違えて使うと大変な事が起こります。
名前が紛らわしかったり、(軽自動車と軽油とか)なかなか難しい面はありますが、
間違えるととても危険なので、ちゃんと確認しておきたいですね!
以上最後までお読みいただきありがとうございました!
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