(この記事の最終更新日は、2022年7月7日です。)
こんにちは!山猫の雑記ブログ管理人の山猫です。(@yamaneko_solar)
子どもが、星の観察用の双眼鏡が欲しい!って言ったらどうしますか?
世の中には、たくさんの双眼鏡が売っていますよね。。
どれでもいいのかな?と思って適当に選ぶと後悔しますよ!
世の中に星の数ほど売っている双眼鏡。。
適当に選べばいいのかな?と思ってしまいますが、、実は子どもが初めて使う(天体観測用の)双眼鏡としておすすめできる商品は、ほんとに少ないのです。
そもそも、まともに見えない双眼鏡もたくさん売っているのだ。。
この記事では、双眼鏡を選ぶときにどうしても知っておかなくてはいけない基礎知識を出来るだけわかりやすくご説明します。
ただし!このブログでおすすめしている双眼鏡は、あくまでも山猫の主観です!
一つの考え方として間違えではないけれど・・・
他にも正解はあるかもしれません。
あくまでも一人の星オタクの意見として聞いていただけたらと思います。
このブログを書いている山猫が最初に星に興味を持ったのは、1986年にハレー彗星が地球に最接近した頃。。もう、30年以上前のお話になります。
その当時(小学生です)、屈折望遠鏡と双眼鏡を買ってもらったのが、星の沼にはまるきっかけ。。。
長く星に関わってきた経験を生かしてこの記事を書いています。
子供向け、入門用双眼鏡の選び方 忙しい人の為に、最初に結論を!
ほんとは、一つ一つ丁寧に解説して最後に結論にしたいけど、、
忙しい人の為に最初に結論を書いちゃうのだ!
ズバリ、子ども(小学生を想定しているけど、、幼児~中学生くらいまで)が天体観測に使う入門用の双眼鏡のスペックのおすすめは以下の通り。
(1.5)ズーム付きは選ばない。
(2)対物レンズの直径は、20mm~40mm
(3)ひとみ径は、4mm~6mm
(4)プリズムの形式は、「ポロ型」
(5)重さは500g以下
(6)アイレリーフは、15mm以上(眼鏡を掛けている場合は必須!)
(7) 視界は、広すぎず、狭すぎず。(見かけ視界は50°~60°を選ぶ)
(8) 価格はほどほど。。(最初の1台だし・・・コスパ大事!)
ねえねえ。言っている意味がさっぱり分からないのだけど。。
分からないよねー。。これ読んで、なるほどなるほどって理解出来ちゃう人は、この記事読まなくて良いと思うよ!
という事で、↑に書いてある意味が分からないよ!という方は是非続きを、ご覧ください。
とにかく、おすすめ機種が知りたいんだ!無駄な知識はいらん!という方は・・・
この程度の事は、もうわかっている。一応おすすめ機種を見てあげるよ!という方も・・・
はじめての双眼鏡選びのポイントを順を追って解説します!
高倍率=高性能ではない! 出来るだけ低倍率の双眼鏡を選ぶ!
双眼鏡とか望遠鏡って、「倍率」が高いほど高性能ってイメージがあるんだよね。。
そうだね。。
同じ形で倍率だけが違う双眼鏡が並んでたら、
一番倍率が大きいのを手に取っちゃうね。
実際にお店で販売すると・・・とにかく倍率の高い双眼鏡が良く売れます。
極端な物になると、コンパクトサイズの双眼鏡なのに、倍率100倍です!という物が登場したりする。。
倍率が高いのは良くないの?
うん。良くない。。いろいろ問題が出るんだけど、大きな問題は次の2点
・画面が暗ーくなってしまう
・手振れで何が何だかわからん。
というのが、大きな問題だな。
まず覚えておいて欲しいのは・・・
双眼鏡を手で持つ場合は「倍率10倍」が限度
って事。
特殊な訓練を受けた人だったら違うかもしれないけど、普通の人は、倍率10倍より大きい双眼鏡は手を出さない方がいいよ。
そして、10倍というのは上限値! 双眼鏡を扱いなれている人の値なのです。
そっか!今回のテーマは、子どもに最初に買ってあげる双眼鏡なんだから、もっと倍率を下げた方がいいんだね!
そういう事!
画面の暗さについては、次の章でじっくりと説明しますが、双眼鏡を見たときに感じる明るさは、倍率と大きな関係があるという事だけ覚えておいてください!
倍率が高いほど、暗くなるんだね!
そうそう!難しく説明すると、眠くなっちゃうから、結論だけお伝えするよ!
関連して、、ズームレンズを採用した双眼鏡はおすすめしません!
ズームレンズ付きの物は、倍率が高い物が多いのと・・・
安価でズーム付きの物は、性能に難がある製品が多いのだ。
もちろん、すべての製品が悪いわけではないのですが、安価な、ズーム付き双眼鏡は、性能を出しにくい製品が多いため、避けた方が良いと山猫は考えています。
対物レンズの直径は20mm~40mm ひとみ径は 4mm~6mmがおすすめ
ひとみ径と言われても良くわかんないよ!
実は双眼鏡選びで一番重要だと思っているのが、このひとみ径なんだ!
ひとみ径というのは、双眼鏡を離してみたときに見える、像が見えている部分の大きさの事。
一般的には、ひとみ径が大きければ大きいほど、明るい双眼鏡という事が言えます。
ふーん。ひとみ径というのはどうやって決まるのかな?
実はすごい簡単に求まるのだ。
双眼鏡の対物レンズの大きさ(mm) ÷ 倍率(倍)で求まるよ。
という事は・・・
・・・・・・・・
どういう事?
例えば、口径(対物レンズの直径)が30mm 倍率が6倍の双眼鏡があったとしたら・・・
ひとみ径=30mm ÷6 = 5mm
となるわけです。
なるほどー
って事は、対物レンズの大きさと、倍率、両方とも関係するって事ね!
ちなみに、人間の目は、暗い所に行くと瞳孔が開いていくのですが・・・もっとも開いた状態で 瞳孔の直径は7mmと言われています。
だから、ひと昔前は、天文用の双眼鏡のひとみ径は、7mmが良いと言われていたんだ!
実際、山猫が最初に手に入れた双眼鏡は、口径50mm 倍率7倍の物。
えーと、ひとみ径は、50mm÷7=7mmね!
しかし、最近では、ひとみ径はもう少し小さい方が良いという意見が多数。
ひとみ径7mmを生かすには、かなり夜空の条件が良くないといけないって事と、入門用にはちょっと重すぎるって意見が多いね!
山猫も実際にいろいろなシチュエーションで覗いてきたのですが・・・その結果、ひとみ径が4mm~6mmの双眼鏡がバランスが取れていて良いかなという結論。
明るい双眼鏡は、薄暗い日でも良く見えるので、天体観測以外で使う時もメリットが大きいのだ!
という事で、山猫がおすすめする、対物レンズの口径と倍率の組み合わせは以下の通り!
・ 口径30mm 倍率 6倍 ひとみ径 5mm
・ 口径42mm 倍率 8倍 ひとみ径 5.25mm
このあたりが候補になって来るよ!
お父さんが最初に買った、口径50mmは登場しないんだね!
口径50mm以上の双眼鏡は、しっかりと天体観測する時は便利だけど、ちょっと大きくて重すぎると思う。
2台目以降で良いと思うよ。。
ちなみに子どもに買ってあげるのだったら、重さ500g以下の双眼鏡がおすすめ!
重たい双眼鏡は、持ち運びが大変なので、、使わなくなってしまう可能性が高いのです。
双眼鏡には、「ポロ式」と「ダハ式」があります。
その前に言っておかなきゃいけないのだけど・・・
双眼鏡は望遠鏡の一種なのですが、望遠鏡には大きく分けて2つの種類があります。
それが・・・ガリレオ式とケプラー式です。
細かい事を説明しても眠くなってしまうので結論だけ言うと、
・ケプラー式・・・倒立像(上下がさかさまになった像)高倍率得意
ガリレオ式は、正立像と言って、人間の目と同じように見えるというメリットがあるのですが、倍率を上げると視界が極端に狭くなってしまうので、倍率2倍くらいの双眼鏡にしか使われていません。
という事は、ほとんどの双眼鏡は、ケプラー式なわけです。
でも、家にある双眼鏡、上下さかさまじゃないわよ??
実はね。双眼鏡の中で、上下左右を反転させて、正立像に戻しているんだよ!
この機能に使われているのが、「プリズム」だよ!
そして、プリズムの組み合わせは、大きく分けて2種類あるのです。
それが・・・ ポロ式とダハ式です。
何がどう違うのかしら?
見た目で簡単に区別がつくよ!
ダハ式は、筒が真っすぐでシュッとしているね!
ポロ式は、昔ながらの双眼鏡って感じ!
最近は、スリムで携帯しやすいダハ式が大人気なんだよ!
でもね、、、山猫のおすすめは「ポロ式」なんだ。。
一見時代に逆行しているような山猫の意見ですが、、実は、ダハ式の双眼鏡はとても設計・製造が難しいのです。
超高価な、ダハ式双眼鏡は、それはそれは素晴らしいよ!
でもね。。
製造も調整も難しい低価格品では性能よりも見た目が重視されている製品が多いのだ。。
もちろんすべての安価なダハ式双眼鏡が悪いわけではないのですが・・・低価格帯の製品は、ポロ式の方が安定した性能を出す物が多いというのが山猫の印象です。
という事で、子どもに最初に買ってあげる双眼鏡は、「ポロ式」プリズムのタイプをおすすめするよ!
アイレリーフは15mm以上
またわけわかんないのが出たね!
アイレリーフというのは、接眼レンズから、目までの距離の事。アイレリーフが短い双眼鏡は、目を接眼レンズぎりぎりまで近づける必要があるのです。
メガネを掛けている人は、アイレリーフが15mm以上ないと、視野全体を見ることが難しいよ。
メガネを掛けてなくても、アイレリーフが極端に短い双眼鏡は、覗くのが大変になっちゃうのだ。。
視界は、狭すぎず、広すぎず。。
双眼鏡で見える視界は、倍率が低いと広く、倍率が高いと狭くなるのですが、、
ちょっと面白い現象なんだけど、、
同じ倍率の双眼鏡でも見える範囲って微妙に違うのです。
設計者の腕の見せ所ってわけね!
例えばこちらの双眼鏡は、倍率5倍で、実視界は15.8°!!
こちらは、同じく倍率5倍で、実視界11°
全然違うのね!視界が広い方が、広い範囲が見えるから良さそうね!
確かに、広視界の双眼鏡は便利だけど、、設計に無理がある場合も多いから注意が必要だよ!
実視界は、設計によって大きくなったり、小さくなったりするのですが、あまり極端な物は、他の部分にしわ寄せがきているケースが多いので、購入には注意が必要です。
大体の目安なんだけど、
実視界×倍率=50°~60°くらいの製品がおすすめだね!
設計に無理がないって事ね!
ちなみに、実視界×倍率の事を「みかけ視界」と呼ぶよ!(旧JIS計算)
※ みかけ視界の計算方法は、新しい計算式があるのですが、ちょっと計算が難しいので、今回は昔の計算式を使っています。
※ 最近は、超広視界なのに、周辺まで美しい像を結ぶ双眼鏡も出てきています。(まだ高価だけどね。。。)
そのうち、双眼鏡の常識も変わっていくのかもしれません。。
価格について・・・
双眼鏡とか望遠鏡の価格って、ほんとピンキリ。。
1000円ぐらいで売っている、おもちゃのような双眼鏡があると思えば、数十万円もする丸を数えるのに苦労するぐらいの物まで・・・
もちろん、高価な双眼鏡は、良い物が多いです。。
例えば、ドイツのライカという会社が作っている双眼鏡は、それはそれはすごい!
まあ、私も持っているわけではなくて、観望会とかで見せてもらう事しかできないが。。
でもね・・・子どもに最初に買ってあげる双眼鏡ですから、やたら高い物でなくても良いと山猫は考えています。
一方、安かろう、悪かろうで楽しく使えない双眼鏡も×!
せっかく買ったのに、良く見えなくてゴミになっちゃったらもったいないですよね!
山猫が入門用としておすすめする双眼鏡は、5000円~15000円くらいの物が多いです。
子どもの入門用として、十分 楽しめる性能を持ちながら、比較的価格を押さえてある製品を続きの記事で紹介します。
まとめ
今回は、子どもに初めて買ってあげる双眼鏡の選び方 ~知識編~というテーマで、お話しました。
選び方のポイントをもう一度!
(1.5)ズーム付きは選ばない。
(2)対物レンズの直径は、20mm~40mm
(3)ひとみ径は、4mm~6mm
(4)プリズムの形式は、「ポロ型」
(5)重さは500g以下
(6)アイレリーフは、15mm以上(眼鏡を掛けている場合は必須!)
(7) 視界は、広すぎず、狭すぎず。(見かけ視界は50°~60°を選ぶ)
(8) 価格はほどほど。。(最初の1台だし・・・コスパ大事!)
↓続きの記事↓は、この条件に合う、山猫おすすめの双眼鏡を特集したもの。是非ご覧ください!
以上最後までお読みいただきありがとうございました!
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