(この記事の最終更新日は、2022年7月1日です。)
こんにちは!山猫の雑記ブログ管理人の山猫です。(@yamaneko_solar)
最近このブログは、星の話題が続いています。。。
今日の話題は「暗順応」
言葉は難しいのですが、ほとんどの人は体感したことがある現象の話・・・
ちょっと理科っぽい話だけど、なるべく簡単に書いているから、がまんしてもう少しだけ読んでみてくれると嬉しいな!
そして、暗順応と深ーい関係にある星空観察グッズが、
「暗ーく光らせられる赤い光のライト」なんです。
なんで「赤」なの?と思われた方、ちょっとだけお勉強に付き合ってください。
最初にちょっと「暗順応」のお勉強です。
天体観測 だんだん見える星の数が多くなってくる理由は「暗順応」にあり!
山猫さん!私すごい事に気が付いちゃった!
何に気が付いたの?
ここに座って30分くらい星を見てるけど、、
だんだん見える星の数が増えてきているの!これって、目が慣れたってことだよね!
そうだよ。人間の目は、明るい所から暗い所に来ると・・・
最初何にも見えないのに、少しずつ見えるようになってくるんだ。
これを「暗順応」と言うんだよ!
暗順応って、どれくらい時間が掛かるの?
実は、人間の目の暗順応は、2段階あるんだ!
暗い所に来ると、まず瞳孔が開きます。
目を大きくして光を沢山取り込むようにするんだけれど、これはかなり短時間で終了します。
ここまでは分かりやすいのだけど、これで終わりではありません・・・実は、ここからが本番なのです。
詳しい説明は時間が掛かるので簡単にポイントを説明すると・・・
目の中が暗い光に対応できるようにロドプシンという物質が増えてきます。
この物質が増えるにしたがって、暗い星がどんどん見えてくるという仕掛けなのです。
そうなんだ。そのロドプシンという物質が増えるのに30分くらいかかるわけだね!
そういう事。しかもこのロドプシンは明るい光を浴びると、すぐなくなっちゃうんだ。
という事で、えい!!(普通の懐中電灯の光を浴びせた!)
きゃーまぶしい!山猫さんひどい事するわね!!!
あれ、星が見えない。。
ごめんごめん。天体観測では、懐中電灯の光で、星空が楽しめなくなることを知ってほしかったんだ。。
自分たちだけでなく、周りで星を見ている人のためにも、ランプの光には注意しなくてはいけないんだよ。。
でも、真っ暗闇では危ないよ。
星座早見板を見たり、カメラを操作するときも真っ暗では難しいなあ。
なにかいい方法はないの?
実はあるのだよ!
「暗順応」「明順応」のメカニズムを出来るだけ簡単に解説します!
という事で、今回は人間の目が暗闇になれる「暗順応」の話からスタート。
屋内から外に出たとき・・・
「最初は、たいして星が出てないな!」
と思っていても時間がたったら満天の星だったという事。
経験がある人もいるのでは?
あるある!天体観測の時はいつもそうだよね!
これが、「暗順応」人間の目の優れたメカニズムなんです。
さらに人間の目は、強い光を浴びると、目を守るために明るさになれるように調整されるのです。(こちらは「明順応」)
トンネルから外に出ると、最初すっごく眩しいけど、すぐに周りが見えてくるよね!これが「明順応」だね!
ここで知っておかなくてはいけないのは、「暗順応」は時間が掛かる(30分~1時間)なのに対し、明順応はめちゃくちゃ早い!という事。
(数十秒から1分程度)
せっかく星空散歩をしているのに、強い光を浴びると「暗順応」はリセット!
そのあと数十分は、星空を楽しめないという事になってしまうのです!!!
つまり、星空観察をしている時は、なるべく明順応がおこならないように気を付けなくてはいけないというわけ。
なるべく明るい光を目に入れない事が大事なのだ!
でも、いくら星を見ると言っても、まったく光が無いとちょっと困りますよね。
足元も危ないし、星座早見板を見たり、カメラを操作したり、明かりはどうしても必要なのです。
じゃあ、どうすればいいのかな?
ここで、登場するのが、「赤い光のランプ(懐中電灯)」なのです。
実は、弱い赤い光は、明順応を起こしにくいという事が分かっています。
あくまでも、明順応しにくい!って話で、全くしないわけではないよ!!
もちろん、赤い光でも強い光になってしまうと、明順応が発生してしまうのですが。。
でも、そんな弱い赤い光で本当に見えるのかしら。
確かに、明るい懐中電灯と比べたら、ものすごく暗いんだけど、目が慣れた状態だったら、望遠鏡のセッティングをしたり、星図板を見たり出来るくらいの明るさはあるんだよ!
暗闇に慣れた目の場合、暗ーい赤い光でも意外とよく見えます。
星座早見板を見たり、カメラや望遠鏡を操作したり、道を照らしたり、普段の生活では暗すぎると感じるくらいの明かりでも、何とかなるのです。
周りで星を見ている人に対しても、暗い赤いランプなら、迷惑をかける心配がありません!
では、そんな都合のいい暗くて明かりランプって売っているんでしょうか?→ ちゃんと専用の物が売っているのです。
星空観察をするのなら、赤い光のランプは必須アイテム。とことん星にこだわった懐中電灯がこれ!
ビクセン(Vixen) 観望グッズ 天体観測用ライト SG-L02 71089
光学機器メーカーのビクセンが販売している、天体観測用ライトです。
実は最近までは、ビクセンが販売していた一つ前の型のライトをご紹介していたのですが、新製品になりました。先代も天体観測にもってこいの性能だったのですが、さらにさらにパワーアップしています!!
ビクセンSG-L02のメリット その1 暗ーい赤い光
このライトのすごい所が、暗ーい赤い光が出せる事。
0.28ルーメンって聞いたことないですよね。。
どちらかと言うと明るさを競っている懐中電灯業界を逆行しているのがこのライトなんです。
そして、地味にすごいのが、ライトのスイッチを入れたときに最小光量から始まる事。
一番くらい所から始まって、明るい方に調整することが出来るのです。
ほとんどの市販の懐中電灯は、ボタンを押すと最大光量または標準的な光量で光り出しますが、天体観測では一瞬でも明るく光ってほしくないのです。
この機能、一見地味なんだけど、天体観測にはものすごい便利なのだ。
大概の懐中電灯は、スイッチを入れると、ビカっと光ってしまうわけですが、この懐中電灯は、最初暗く光るので、間違えて強い光を出して、せっかく慣れた目をもとに戻してしまうという事故が起きにくいようになっているのです!
ビクセンSG-L02のメリット その2 電球色なのに暗順応の邪魔をしない特殊LED
ビクセンのSG-L02は、天体観測用の赤色ライト以外にも、一般的な「電球色」(電灯の色)のライトを点灯することが出来るのだけど、実はここにも工夫が。
なんと、暗順応への影響が大きい 波長555nm付近の光をカットしているのだ。
見た目は他の懐中電灯と変わらない電球色なのに、
ビクセン SG-L02の電球色は、比較的 暗順応への影響が少ないんだね!
もちろん、暗い 赤色灯の方が目には良いのだけど、どうしても明るい光で周りを照らしたいって事あるよね。
そんな時でも、比較的、暗順応への影響が少ないライトはありがたいよ!
USB充電になって利便性アップ!
先代のSG-L01は、単三型乾電池1本での動作でしたが、SG-L02は、充電池を実装。USBで充電する方式となりました。
電球色のフルパワーで4時間点灯ってことだけど、天体観測では、フルパワーで点灯する機会は少ないから、一晩で使い切っちゃう可能性は低いと思うよ!
今回はメリットばかりだね!
デメリットはないの?
基本的には大満足の一品なんだけど、問題があるとすれば・・・
・電球色LED 最大光度でも42ルーメン。(ちょっと暗い)
・価格 お高い(5000円以上します。。)
このヘッドライトは、フルパワーでも42ルーメンと、闇夜を歩く場合、ちょっと暗いという印象。夜道を歩くようのライトは別に準備した方が良さそうです。。
注意!!赤色ライトは、人間の目に優しいけれど、カメラには写ります。
暗順応に影響の少ないライトを手に入れると、天体観測をしている人が周りにいても、気軽にライトを使ってしまいます。。
でも、これが良くない。
暗順応に影響が無いのなら、周りに人がいても使っちゃって大丈夫じゃないかな?
確かに、人間の目は明るさを感じにくい波長の光ではあるんだけど。。
カメラは違うのだ。
カメラは、赤い波長の光でも普通に感光してしまうので注意が必要なのです。
特に、天体写真は、長時間露光をしている事が多いのす。
カメラに光を入れてしまうと、あとの処理がとっても大変になるのだ。。
だから、天体観測の人が他にもいて、天体写真を撮っているようだったら、ライトの使用は最低限かつ、他の人のカメラに光が飛び込まないように気をつける必要があるのです。
まとめ
今回は、実は天体観測の必須アイテムである、赤い光のランプをご紹介しました。
周りに人がいないところならまだいいのですが、星を見る有名スポットに行くと、沢山の人が星空を見ている場合もあります。
そんな所で、明るくて白い光の懐中電灯を使うと、周りの人の迷惑にもなってしまいます。
自分たちも星空を楽しめなくなってしまいますので、ぜひ、星空観察用のライトを準備してほしいのです。
自分たちだけでなく、周りの人の事も考えてライトを選ぶ必要があるんだね!
赤い光を出す懐中電灯は他社からも発売されているのですが、明るすぎる物が多いのと、信頼性に難がある製品が多いと山猫は感じているので、今回は星空観察専門に開発されたこのランプをご紹介させていただきました。
~現地に着くまではもう少し明るいライトが必要!って場合はこちらの記事をご覧ください~
最後までお読みいただきありがとうございました!
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